小さな会社の初心者Web担当、ななこ。いつも笑顔がモットーの元気な女性です。
そんな彼女の身に降りかかったのが、自社サイトの「情報漏えい?疑惑」事件。不思議な存在「ニッコリー」の助けにより、SSLの仕組みを理解して、いよいよ事件解決の直前まで来た彼女なのでした。さぁ、ななこはどんな答えを出すのでしょうか。
3つのSSL証明書あらわる
で、これ以上何を知ったらいいの? 早くSSLを使いたいんだけど。
せっかちだなぁ。使う前に、とても大切なことが残っているんだ。暗号化するための仕組みとしてのSSLサーバー証明書には、そのレベルに応じていくつかの種類があるんだよ。
え? レベルがあるの?
サイトの利用の仕方っていろいろあるでしょ? その使い方によって適切な証明書を選ぶ必要があるからね。
なるほど。それで、どんなものがあるの?
まずは「ドメイン認証型SSL」。これは暗号化に特化したものなんだ。サイトのドメイン名の所有名義が確認できれば取得できる。費用面でも安く、短期間で取得できるのが特徴だね。でも、運営組織の実在性は問わず、簡易なオンライン審査で取得できてしまうから、 なりすましなどへの効果としては限定的なのがデメリットなんだ。
意外に簡単に取れるものもあるんだね。
その上のレベルが「企業実在認証型SSL」。暗号化はもちろん、運営組織が実在することを確認した上で発行されるものだよ。取得するには、企業や組織が実在するかどうかを登記事項証明書や第三者のデータベースで調査した上で電話などによる確認もするから、ドメイン認証型より高い信頼性があるんだ。ちゃんと登記されているかどうかで「実在」を確認するから、個人や個人事業主では取得できないんだ。
だから企業実在認証型なんだね。
その通り。そして最上位のレベルにあるのが「EV(Extended Validation)認証型SSL」。企業実在認証型の仲間だけど、より厳しく運営組織の実在性を確認するのが大きな違い。発行審査では、サイト運営組織に証明書申請者の上司が在籍しているかどうかを総務・人事部門に確認したり、証明書申請権限を委譲したことの確認書が必要になったりするんだ。EV認証型SSLを取得すると、ブラウザのアドレスバーが緑色になって、運営組織名も表示されるよ。
答えは、使い方の中にあり!
うちの会社の場合はどれがいいのかな? すごく迷う。
どうして?
だって、最上位レベルはEV認証型というのは分かったけど、手続きが面倒そうだし、費用が高過ぎる……。
そうだね。EV認証型は、ネット銀行やネット証券など、フィッシング詐欺の被害を防止したい場合に向いていると言ってもいいんじゃないかな。じゃあ、特徴も含めて一度整理してみよう。 はいっ!
いい仕事するねぇ、ニッコリー。これなら分かりやすい。どれどれ……。費用対効果を考えるとやっぱりドメイン認証型かな。
ドメイン認証型の仲間には、ワンクリックSSLというのもあるよ。1カ月単位で利用できて、簡単スピーディーに導入できるのが特徴なんだ。
それは魅力的ね。ところで、SSLってどうやって導入したらいいの?
それじゃあ、基本的な流れも整理しておこう。はいっ!
なるほど、一つ一つクリアしていかないといけないわね。
ワンクリックSSLなら、インストールまでの作業が自動でできるよ。
それなら簡単ね! サーバーも乗り換えるべきかしら?
そうだね、そこもちゃんと考えてみるべきだね。SSLを使うということは安心や信頼につながるけど、まずは企業として、どんなサイトを作ってどう運営していくかが大切なんだから。
そうよね。私たちがやりたいことや、これからもっとステキなコンテンツを提供していくためにも、どんな環境が必要なのかをしっかり考えてからSSL認証選びやサーバー選びをしないと、また事件が起きちゃうわね。
そうだね。僕のオススメはスマイルサーバの「SSLセットプラン」だよ。そろそろ事件は解決かな? ななこにやっと「スマイル」が戻ってきたね。
いろいろと大変そうだけど、何だかワクワクしてきちゃった。「スマイル」でまた頑張るゾー、オー。
これでひと安心だね。じゃあ、事件が起きたらまた呼んでよ。
うん、ありがとう。って、あのー……、ニッコリーあなた何者? あれ、まとめはあるけどもういない。今のは何だったんだろう。でも、ま、いっか。ひとまず解決したんだし。早く部長に相談しなくちゃ!
自社に適したSSLについて理解して、一段成長したななこ。この後、ななこの会社ではサーバーを見直し、SSLも導入して、情報流出のクレームはなくなりました。「情報漏えい?疑惑」事件は何とか解決したみたいです。でもこれで終わらないのがインターネットの世界。次の事件はもうすぐそこに……。それはまた別の機会に。