とある小さな会社の初心者Web担当、ななこ。いつも笑顔がモットーの元気な女性です。そんな彼女の身に降り掛かった「ニセドメインあらわる？」事件。ドメイン名がインターネット上の住所であることは分かったのですが、まだまだ解決には至りません。ドメイン名すら分からないななこに、ニッコリーが詳しく説明してくれるようです。さて、事件はどこまで解決に近づくのでしょうか。
鍵は「.（ピリオド）」の向こうに
ななこ
で、結局、ニセモノって言われた理由は何なの？
ドメインのことをもうちょっと理解できると分かるよ。
ニッコリー
ななこ
ニッコリー、もったいぶらないで教えてよ。
ドメイン名」は「インターネット上の住所」だっていうのは分かったよね。
ニッコリー
ななこ
うん。「独自ドメイン名」で自由に名前も付けられるのよね。 それをサーバーがDNS（ドメイン・ネーム・システム）で確認して迷わずにアクセスできるようにしているんだったわよね。
そうそう。じゃあ質問。ドメイン名の「.jp」や「.com」にはちゃんと意味があるんだけど、なんだか分かる？
ニッコリー
ななこ
え？ 前回、電話番号に例えたから、東京の「03」や大阪の「06」といった市外局番みたいなものかしら？
おお、近いかも。
「.jp」や「.com」みたいにドメイン名の末尾にある文字列のことを「トップレベルドメイン」というんだ。初めは7つだったのが、今では何と千種類以上もあるんだよ。トップレベルドメインが違うと、登録要件、取得のための費用なども違ってくるから、みんな用途によってどれを選ぶか決めていると言っていい。
ニッコリー
ななこ
そういうことなんだ。じゃあよく見る「.com」はどういう意味なの？
「.com」は商業組織用の「分野別トップレベルドメイン」なんだ。「.com」がCommercial（商業の）の略ということは意外と知られていないみたいだね。分野別は、国や地域などの地理的な制限なしに利用できるんだけど、それぞれに意味があるので、使い方などをちゃんと考えて選ばないといけない。「.net」もよく見るけど、もともとはネットワーク用だし、「.org」も非営利組織用だったんだ。最近では制限がなくなって自由に登録できるけどね。
ニッコリー
「.jp」の真実をあばけ
ななこ
じゃあ、日本でよく見かける「.jp」はどうなの？
「.jp」は国を表すトップレベルドメイン。「国コードトップレベルドメイン」といって、日本の「.jp」、中国の「.cn」、イギリスの「.uk」、アメリカの「.us」などがあるよ。「.jp」は日本国内に住所を持つ組織・個人しか登録できないので、これを使っているURLやメールアドレスは、日本に住所がある組織や個人のものだと分かるんだ。
ニッコリー
ななこ
日本のものだと分かるとちょっと安心できるわね。「.co.jp」はどうなの？
それは「属性型（組織種別型）JPドメイン名」だね。「日本にある企業」ということになる。その他にも日本にある政府機関なら「.go.jp」、財団法人なら「.or.jp」、大学なら「.ac.jp」などだね。「都道府県型.jp」や「汎用JPドメイン名」（日本語.jpなど）なんていう変わり種もあるよ。
ニッコリー
ななこ
ドメインをしっかり見ていくと、サイト運営者の特徴や事業分野なども見えてくるのね。
うん、そこがとても大切なことなんだ。「名は体を表す」じゃないけど、「ドメインは利用者を表す」ってことだよね。
ニッコリー
ななこ
そうか、インターネット上の住所ってだけじゃなく、そこからいろいろな情報が分かるわけだから、適当に付けてはダメよね。
そこがブランドの分かれ道
いいところに気付いたね。独自ドメイン名は自由に付けられるけど、いろいろなことに気を付けたり、メリット・デメリットを理解していないと問題が起きたりするわけだよ。
ニッコリー
ななこ
教えて教えて、メリットとデメリット。
了解。まずはメリットから。
ニッコリー
ななこ
信頼やブランドにとっても大切なんだね。じゃあデメリットは？
費用がかかることかな。それから、気を付けないといけないこととしては、独自ドメイン名は容易に変更できないんだ。スペルミスなどして登録したら大変だよ。取得し直せばまた費用もかかるしね。
どお？ ドメイン名のこと分かった？
ニッコリー
ななこ
うん。他社のドメイン名に似ていたら信頼度も下がるし、いい加減にはできないものだって分かった。わが社のドメイン名がニセモノって言われるなら、その辺もしっかり考えて対策を取らないといけないわよね。
そういうこと！ とりあえずまとめておくね。
ニッコリー
こうしてななこの事件は解決に向けて前進しました。ドメインへの理解を深めたななこですが、解決に向けてどんな行動に出るのでしょうか。この続きはまた次回。
