とある小さな会社の初心者Web担当、ななこ。いつも笑顔がモットーの元気な女性です。そんな彼女の身に降り掛かった「ニセドメインあらわる?」事件。トップレベルドメインにはさまざまな意味があることや、独自ドメイン名のメリット・デメリットまで理解できたようです。さて、ななこはどんな方法でドメイン名と対峙するのでしょうか。
"ブランド"を取り戻せ!
ドメイン名は信頼にもつながる大切なものだから、しっかり考えて運用しないといけないのよね。
そうだね。そこまで理解できていれば、もう大丈夫かな?
いやいや、まだ対応する方法を聞いてないわよ! 逃さないんだから。
やっぱりそこまで手伝わないとダメか。じゃあななこ、どうしたらいいと思う?
今回は、わが社のドメイン名が他社のドメイン名と似ていたわけだから……。差別化する意味でも、こうなったら、上司に掛け合ってちゃんとドメイン名を取得し直さないと。
それならどういうドメイン名が良いかしっかり考えないとね。
もちろんよ! で、どうしたら良いの? ニッコリー。
えー!? 仕方ないなぁ。ドメイン名を取得するに当たって考えるべきことは「どういうドメイン名を使って何を伝えるか」だよ。「分かりやすさ」「覚えやすさ」「伝わりやすさ」など考え方はいろいろあるけど、それをしっかり踏まえた上で、他社との差別化を図って、独自の「ブランド」にしていくことさ。
何だか難しいね。
それくらい大切なものだということ。
例えば、ドメイン名に「社名」や「商標」が入っているものがあるでしょ? あれもブランディングの一環だね。いろいろ検討して付けた「社名」や、自社だけにしかないキーワードである「商標」などで登録すれば、他社と明確に差別化できるものになるよね。
トップレベルドメイン1つ取っても、「.jp」なら日本の製品やサービスだということが伝わるし、「.co.jp」だと信頼できる日本の企業ということがアピールできる。
そうか、ドメイン名で会社や商品を覚えてもらったり、安心感を伝えたりもできるってことね。すごく重要だからしっかり考えなきゃ。
ドメイン名を変更すると、メールアドレスやURLが載っている名刺とか営業ツールの改訂なども必要になるから、社内でしっかり話し合って決める必要があるよね。
ドメイン名だけ? それともサーバーも?
実際どうやったら新しい独自ドメイン名って取得できるの?
大きく分けて2つある。
1つはレンタルサーバーを契約している会社に取得を代行してもらう方法。手数料なども含めて割高にはなるかもしれないけど、設定などでしっかりサポートも受けられるから便利だよ。マルチドメインという形で、1つのサーバー契約で複数のドメイン名を運用できたりもするので、製品・サービス別にドメイン名を持つといった、用途に合わせて使い分けをしたいときなどにも対応できる。
2つ目は、ドメイン名登録を専業としている会社に依頼して取得する方法。レンタルサーバー会社に代行してもらう方法と比較すると、ドメイン名に関する複雑な設定を全て自分でやらないといけなくなるんだ。
できれば手間がかからない方がいいな。
ところで、ドメイン名って好きなものを自由に取得できるの?
おっと、それは重要なことだった。実は、早い者勝ちなんだよ。
えー! そうなの?
うん。取得しようと考えていたドメイン名が、誰かに先に取得されていたなんてこともあるんだ。トップレベルドメインなどが違えば取得できるケースもあるけど。
取得したいドメイン名が利用可能かどうか簡単に検索できるようになってるから、調べてみれば?
早い者勝ちだから、ニーズがありそうなドメイン名を先にまとめて登録して、高額で売るなんてことをする人もいるんだ。トラブルになって法定で争うケースもあるんだよ。中古ドメイン名の売買やオークションも行われているしね。
うわー、それじゃ急がなきゃ!
慌てないで。
え? まだ何かあるの?
守るのも育てていくのもあなた
ドメイン名は取得して終わりじゃないからね。ドメイン名は資産・ブランドになる、という話をしたけど、ブランド化するにはしっかり運用しないといけない。
うん。それは分かる。
なら、いくつか注意点を説明するね。
そうか、ドメイン名をただ取得しただけじゃダメで、それをしっかり運用していかないと、宝の持ち腐れになってしまうのね。
そういうこと。
今回の事件は、わが社と似ているドメイン名の方が上手に運用されていて、みんなに知られているってことね。だから、わが社にメールを送ろうとした人が、間違ってその似たドメイン名を入力してしまい、あっちに届いてしまったってこと?
かもしれないね。
どちらにしても、一度ドメイン名をしっかり見直して、わが社のブランドとして育てていくことが必要よね。早く相談して提案しなきゃ!
ガンバレ~! じゃあ、いつものようにまとめておくね。
ドメイン名に関する深い知識を得て、一段と成長したななこ。このあと、ななこの会社では、上司と一緒にしっかり考えて新しい独自ドメイン名に変更し、運用に力を入れたことで、ドメイン名にまつわるクレームのメールもなくなりました。「ニセドメインあらわる?」事件は何とか解決したみたいです。でもこれで終わらないのがインターネットの世界。次の事件はもうすぐそこに……。それはまた別の機会に。